2008年07月02日

免疫反応を抑制する臓器移植術

移植された臓器は免疫ネットワークからは細菌などの外来異物と同様に自己のモノとは認識されないため拒絶反応が起きる。そのため通常は移植手術後に半永久的に免疫抑制剤を使用することになる。
拒絶反応を抑える新しい腎臓移植手術を、東京女子医大と順天堂大の研究チームが開発した。

移植された腎臓を攻撃しないように改造した免疫細胞を患者に注射するやり方で、手術直後以外は免疫抑制剤が不要になる。東京女子医大は、早ければ今秋、この手法で生体腎移植を実施する。心臓など他臓器の移植にも応用できる可能性がある。

免疫細胞の一種であるT細胞が、移植臓器を異物として認識し、攻撃するのが拒絶反応の主因となる。東京女子医大の寺岡慧教授(腎臓外科)、順天堂大の奥村康教授(免疫学)らは、ある抗体が、T細胞の攻撃力を阻害することに着目。臓器提供者と患者の血液から採ったリンパ球をこの抗体と混ぜて培養し、提供臓器を攻撃しない性質を持つT細胞を作り出した。

新しいT細胞を移植患者に注射すると、他のT細胞も同じ性質を持つようになるとみられ、移植臓器を攻撃しなくなった。ウイルスや細菌などに対する攻撃力に変化はなかった。

 研究チームはアカゲザルの実験で5年以上、腎臓の拒絶反応を抑えた。通常の臓器移植だと一生免疫抑制剤を飲む必要があるが、この方法なら手術後約1か月で服用をやめられ、感染症やがん、腎臓障害など抑制剤の副作用も抑えられる。

奥村教授は「心臓移植などで移植後1年以降に起きる慢性拒絶反応の抑制も期待できる」と話している。


tomtom666 at 23:07 │clip!バイオテクノロジー  | 医学
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